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オンラインでのライブ配信を行うなどの目的のために、社内に個室ブースを設置したいと考えている方は少なくないのではないでしょうか。スムーズに設置するためには、いくつかの点について事前に確認しておくとともに、設置の流れを把握しておく必要があります。以下で順に説明していきますので、設置を検討している方はぜひ参考にしてください。
1 個室ブースとは何か
はじめに個室ブースというのは、様々な方法を用いて周囲の視線や音から遮断されているスペースのことを言います。一言で個室ブースと言っても、街中に設置されている電話ボックスのように周りと完全に隔離されるようなものもあれば、パーティションを使って特定の場所を仕切るだけのものもあるなど、その種類は多種多様です。タイプによって機能や注意点が異なるため、個室ブースを設置しようとする場合は、それらを頭に入れた上でニーズに合っているものを選ぶようにしなければなりません。
例えば、電話ボックス型のタイプは、高い遮音性が期待できるためライブ配信用に使用するのに適していますが、一方で設置にはそれなりのコストを要するのでなるべく費用を抑えたい場合には要注意です。逆に、パーティション型のタイプには比較的安価なものもありますが、電話ボックス型のものに比べると遮音性はそこまで高くありません。
2 個室ブース設置前に調べておきたい事
次に、個室ブースを設置する場合に、あらかじめ調べておきたいポイントについて説明します。
2-1 必要なスペース
個室ブースのタイプによっては、一定以上の広さがなければ設置できない場合があります。また、設置可能なものについても、大きさによって値段が大きく変わることは少なくありません。そのため、事前に設置の可否を確認するとともに、正確な見積り金額を把握するために、必要なスペースの広さを確認しておくようにしましょう。
2-2 電気関連
大抵の個室ブースは内部にコンセントや換気扇、照明などが備え付けられており、設置するにあたっては、専用の電気工事が必要になることも少なくありません。場合によっては、床下や壁内部の配線工事が必要になるケースもあり得ます。そのため、事前にどこから電源を確保するのかも含め、どういった工事が必要になるのかを確認しておくようにしなければなりません。
2-3 その他
以上のほか、オフィスビルなどに個室ブースを設置する際には、消防法上の問題がないかどうかについても確認しておく必要があります。例えば、緊急時の避難経路上にブースを設けたり、ブースによってスプリンクラーの機能が阻害されるような場合には、設置が認められない可能性があるからです。また、オフィスの貸主との契約によって、ブースの設置が認められていないようなケースもあり得ます。
設置した後で法令違反や契約違反になってしまうと、せっかくコストをかけて導入したブースを撤去しなければならないだけでなく、場合によっては何らかのペナルティを受けることにもなりかねません。そうなってしまっては元も子もないので、もし心配であればオフィス専門の設計士や法律家などに相談してみるのも一案です。
3 個室ブース設置までの流れ
ここからは、個室ブースを設置するまでの流れを紹介します。
3-1 設置する個室ブースの決定
必要な社内ニーズを洗い出した上で、それに合うタイプの個室ブースを選ぶようにしましょう。類似する商品が複数販売されている場合もあるので、コストを抑えるために相見積もりを取得するのも有効です。
3-2 工事内容の確定
設置にあたり必要な工事内容を業者との間で確定させます。施工図を確認して、認識とのずれがないか必ずチェックするようにしてください。
3-3 消防法の申請
設置する場所や設置するブースのタイプによっては、消防法に基づく申請が求められる場合があります。11階以上や地下に設置する場合のほか、フロアにスプリンクラーがある場合など、申請の要否については細かな条件が設けられていますので、万全を期すのであれば消防署に相談するのがおすすめです。
3-4 設置工事の実施
必要な申請手続きが完了したら、いよいよ個室ブースの設置工事を行います。申請内容と違った方法で設置すると、後で問題になりかねないので、その点に注意するようにしましょう。
3-5 検収と費用の支払い
工事が終わったら検収作業を行い、問題がなければ料金を支払うことになります。なお、設置工事の料金は、導入する個室ブースのタイプや工事の規模などによって異なりますが、手軽に導入できるものであれば50万円から60万円といったところが相場です。予算オーバーにならないようにするために、必ず事前に見積りを取っておくようにしましょう。
個室ブースを有効活用しよう
以上で見てきたように、個室ブースを導入する際には、設置するスペースや必要な工事の内容、法律上の手続きなど、様々なポイントを確認しておくことが重要です。必要事項をきちんと確認した上でブースを導入すれば、業務の大幅な効率化が実現できるはずですので、業者任せにすることなく必ず自分たちでチェックするようにしましょう。