ワークブースを導入するメリットデメリット

ワークブースを導入するメリットデメリット

新型コロナウイルスの感染拡大と働き方改革の施行により、すっかり定着した感のあるテレワーク。その普及に伴い、最近ではオフィス内へ「ワークブース」の設置を検討する企業が増加傾向にあります。では、ワークブースとはどのような設備なのでしょうか。ここではワークブースの概要と種類、設置するメリットとデメリットを解説します。

1.ワークブースとは?

ワークブースとは、オフィス内に設置する個室ブースです。空間を仕切ったパーソナルスペースで、パソコン作業やWeb会議などで活用されています。室内は照明とパソコンが置けるテーブルとイスのセット、コンセントが基本設備で、オフィス内の雑音や周囲の視線などを気にせず作業できることが特徴です。

2.ワークブースの種類

ワークブースには、大きく分けて「ボックスタイプ」「セミボックスタイプ」「オープンタイプ」の3種類があり、それぞれに特徴があります。

2-1.ボックスタイプ

ボックスタイプは名前の通り箱型で、ドアを閉めればオフィス内から完全に独立した部屋になるワークブースです。最近ではホテルや駅構内、ショッピングセンターなどの不特定多数の人が利用する施設などでも見かけることが多くなりました。周囲の雑音や第三者の視線が気にならないこと、防音性が高いことなどから集中して作業したい場合やWeb会議などにおすすめです。ただし、ボックスタイプは消防法や建築基準法における「居室」に該当する可能性があります。居室に該当する場合は煙感知器やスプリンクラーの設置、管轄する消防署への申請などが必要になるため、導入を検討する前に確認しておくことが大切です。

2-2.セミクローズタイプ

天井やドアがないものなど、さまざまな種類がある半個室タイプのワークブースです。一見するとボックスタイプに似ていますが、完全な個室になっていないことから「家具」の扱いになるため、消防法や建築基準法に抵触する心配がありません。オフィス家具メーカーなどでDIY用のキットも販売しているため、ボックスタイプよりも低コストで設置できることが特徴です。

2-3.オープンタイプ

オープンタイプは、パネルやパーティションで壁を作るだけのワークブースです。第三者の視線をさえぎることを目的としているため防音性はなく、Web会議にはあまり向いていません。3種類のワークブースの中で最も低コストで組み立てや解体も簡単なので、簡易的な利用におすすめのワークブースです。

3.ワークブースを設置するメリットとは?

ワークブースをオフィス内に設置するメリットには、「集中できる」「Web会議に最適」「手軽に設置できる」の3つがあります。

3-1.集中できる

ワークブースを設置する最大のメリットです。一般的にオフィス内には複数の社員がおり、常に何らかの物音が聞こえる環境です。集中して作業に取り組みたいと思っても、それらの音や会話などが気になって集中できなくなることも少なくありません。ボックスタイプがベストですが、オープンタイプのワークブースでも壁1枚あれば視線が気にならず話しかけられることも少なくなるため、集中力が増して作業効率アップにつながります。他人にペースを乱されず仕事をしたい方におすすめです。

3-2.Web会議に最適

最近では、インターネット環境さえあれば気軽にできるWeb会議が増えていますが、会議室には限りがあるため利用できる人数も限られてしまいます。しかし、ワークブースがあれば会議室以外でもWeb会議が可能なうえ、オープンタイプであってもデスクで行うよりは個室感があるので会議に集中できます。ボックスタイプのワークブースであれば、ライブ配信などにもおすすめの環境です。

3-3.手軽に設置できる

オフィス内に新しい個室を作るとなると改築工事が必要ですが、賃貸物件であれば改築自体ができないこともあります。しかし、ワークブースは大掛かりな工事が不要で、セミクローズタイプやオープンタイプであればDIYでも設置できます。さらに解体も簡単なので、不要になればすぐに撤去できることもメリットです。

4.ワークブースを設置するデメリットとは?

ワークブースをオフィス内に設置するデメリットには、「圧迫感がある」「作業スペースが狭い」の2つがあります。

4-1.圧迫感がある

ボックスタイプやセミクローズタイプのワークブースは、オフィスの広さによってはかなりの圧迫感があります。窓側に設置してしまうとより圧迫感が増してしまうため、広さによってはオフィス全体のレイアウト変更が必要になることがあります。

4-2.作業スペースが狭い

ワークブースはパソコンが置ける程度のテーブルしか設置されていないため、作業スペースとしては広くありません。中で何かを作ったり、多くの資料を広げて行う作業には不向きかもしれません。

ワークブースの導入で働きやすい環境を

新型コロナウイルスの拡大で、私たちの働き方は大きく変わりました。ワークブースは、今や主流となりつつあるWeb会議やオンライン商談に最適なうえ、周囲の雑音も遮断できるため作業効率のアップにもつながるなど一石二鳥のオフィスアイテムです。オフィスの広さに合わせたワークブースの導入で、社員が働きやすい環境を実現してみてはいかがでしょうか。